最終更新日 2024年12月1日 by cuerda
人がいる場所には必ず家屋や職場などの建物がありますし、建物以外にも道路・鉄道・港湾施設・河川などの建築物もたくさんあります。
建設会社は建築物を設計して作る会社で、人が生きていくうえで欠かせない存在といえるでしょう。
一口に建設会社といっても多くの種類があり、業務の内容に応じて細分化されています。
会社の規模についても、大手の大企業から個人経営の工務店まで幅が広いという特徴があります。
一般の方にとっては“建物を作る会社”という漠然としたイメージを抱く方が多いかもしれませんが、会社の種類や規模ごとに業務内容に大きな違いがあります。
新たに建築物をつくる場合は、設計から内装まで各分野で専門的な知識と技術が求められます。
このため、建設業は個人経営の下請け会社が集まってそれぞれの分野を担当する仕組みになっています。
建設会社を大きく分けると、「ゼネコン」と「工務店」の2種類があります。
ゼネコンというのはジェネラルコントラクター(総合建設)を略したもので、施主から工事の依頼を受ける元請け会社の事をさします。
ゼネコンは施主の希望や予算を聞いて建物コンセプト・デザインなどを提案したり設計をおこない、下請け会社を取りまとめて工事全体を取りまとめて指揮をします。
建物を建設する場合は、作業ごとに専門の下請け会社に依頼をする必要があります。
ゼネコンは工事の日程を決めたり下請け会社間の調整をしたり、安全・品質・材料・原価面で総合的な管理をします。
ゼネコンと呼ばれる会社は、自社で施工・設計・研究をおこなっているという特徴があります。
ゼネコンには会社の規模ごとにいくつかの呼び方があり、規模の大きな順にスーパーゼネコン・準大手ゼネコン・中堅ゼネコンの3つに分けられます。
スーパーゼネコンは清水建設・大林組・鹿島建設・大成建設・竹中工務店の5社で、いずれも誰でも知っている有名な大手建設会社です。
準大手ゼネコンは単独の年間売上高がおおむね3000億円以上の会社で、マンション建設で有名な長谷工コーポレーションもこのカテゴリーに入ります。
青函トンネルの施工を担当した前田建設工業も、準大手ゼネコンのひとつです。
年間売上高が1500億~3000億円の会社は中堅ゼネコンと呼ばれ、熊谷組や鴻池組といった会社が有名です。
ある程度の規模の会社でないと、建築工事の元請けや研究開発などの業務をこなすことができません。
マンションやオフィスビルなどの大規模な建物や橋梁・ダム・トンネルなどの設計は、いずれも規模の大きなゼネコンが担当します。
現場で施工をしたり小規模な建物の設計をおこなう建設会社は「工務店」と呼ばれ、ゼネコンの下請けで現場作業を担当します。
ただし一部の工務店は、個人の住宅の外壁工事や屋根の葺き替えといった小規模な工事の元請けをすることもあります。
工務店は規模が小さな会社がほとんどで、数人の職人さんを雇ったり家族経営などのケースも少なくありません。
建築業界は作業内容が細分化されているので、一般住宅向けの小規模な建物の工事でも複数の下請け会社によって作業が進められます。
例えば個人が工務店に外壁塗装の工事を依頼した場合、元請け会社が費用の見積もりや全体の日程の調整をして下請け会社に作業を依頼します。
足場の設置・撤去を専門にしたり、古くなった壁を剥がす・洗浄する・塗料を塗布するなどの各作業工程ごとに専門の会社が依頼を受けて工事を実施します。
小規模な工事でも複数の下請け会社が集まって作業を担当するので、大規模な商業施設やマンションの建設では完成までに非常に多くの下請け会社が工事を実施することなります。
当然のことですが、他社に下請けを依頼する際の手数料として中間マージンが発生します。
多くの工務店に作業を依頼する場合は、作業や資材の調達費用とは直接的に関係のない中間マージンの費用が多額になります。
元請け会社によって下請け会社に作業を依頼する際の効率の良し悪しがあるので、仮に同じ工事を依頼する場合でも中間マージンの違いによって建設費用に大きな差が発生する場合が少なくありません。
このため、建設の工事を依頼する場合は必ず複数の元請け会社に見積もりを依頼して比較をして選定することが大切です。
建築業界で人気の高い職種として、建物の設計業務があります。
建物の設計は建築基準法に基づいて一定以上の強度が求められますが、見た目や使い勝手なども考慮しなければなりません。
建物の設計作業は美的センスを生かすことができる分野で、本人の努力次第でキャリアアップができる職種のひとつです。
建物の設計をするためには建築士の資格が必要で、大学の工学部や専門学校で取得することができます。
建築士としてキャリアアップする場合、多くの人は学校を卒業してから小規模な工務店や設計事務所に就職して経験を積みます。
ある程度の経験を積んだら規模の大きな会社に転職をして、キャリアを伸ばすことができます。
キャリアアップをすると自分で設計事務所経営したり、ゼネコンに転職して規模の大きなプロジェクトに参加して能力を発揮することができるようになります。